照明を変えるだけで仕事の業務効率は大幅に上がる!おおげさだと思っている方がいたらそれは大間違いです。
照明の光色、照度、輝度が人体に及ぼす効果は大きいと実際に科学的に証明されているのです。
今のあなたのオフィス照明は実は従業員のモチベーションを下げ、業務効率・生産性を知らず知らずのうちに落としているかも知れません。
また照明の種類や色を見直すことで、経費の削減や空調のコストの削減などにも繋がる場合もあります。今回はオフィスにおける正しい照明の選び方をご紹介していきたいと思います。
照明を変えるだけで業務効率が2倍になる?!
光による精神的影響とは
光が及ぼす精神的影響の範囲はかなり大きいものがあります、実際ヨーロッパでは病人などのメンタルケアに光の治療を取り入れているのです。
また研究によって明らかになった点として光の色や光の量がホルモンバランスにも影響を与えるということが分かりました。
現代では24時間明かりがありますが、本来人間の体は、太陽が出ている間に行動し、太陽の陽が落ちたら休むという風に作られています。
陽が出ていない時間帯に光を感じ行動することはホルモンバランスを乱すことにも繋がります。
光の色による心理効果
光の色によってもさまざまな心理効果があります。白熱灯のようなオレンジっぽい色はリラックスさせる効果があり、穏やかな心理状況になれるとされています。
逆に蛍光灯などに多い白い色の光は緊張感をもたせたりする効果があるので、集中したいときなどに向いています。
また光の色を変えるだけで体感温度も変わるということが分かりました。これが「色温度」というものです。白熱灯のようなオレンジ色の光は暖色と言われていて体感的にも暖かく感じることができると言われています。
逆に蛍光灯のような白色、またはそれに近い色は寒色と言われていて、体感温度が下がると言われています。
光の強さ
また光の強さによっても影響があると言われています。強い光は脳を覚醒させる働きがあり、逆に優しい光は眠気を誘ったり心を落ち着かせるといったような効果があります。
ではオフィスの場合は白く強い光がいいのかといえば、そうではありません。もちろん執務エリアなど集中をするには白熱灯のような暖色系よりも蛍光灯のような白熱灯の方がおすすめです。
ですが、長時間強く白い光のなかで仕事をし続けても目が疲れてしまうため、室内に休めるような時間空間を作ってあげることが大切なのです。
そもそも作業効率・業務効率をあげるというのはどういうことなのか
作業効率をあげる、業務効率をあげるというのは、仕事をしてる方ならよく聞く言葉ではないでしょうか?とは言っても作業効率・業務効率をあげるためにはどんな方法があるのでしょう?
売上が良い会社ほど、職場環境が充実しています。優秀な会社では仕事をする場所だけでなく、食堂があったり、マッサージスペースや仮眠もできるようなリラックスできるスペースも充実しています。
仕事の効率を上げるというのは、ただ仕事をしてる時間だけの話ではなく、仕事をしていない時間にも関係してくる話である、ということを頭に入れておきましょう。
効率を上げる意味・メリットを考える
効率をあげるという意味を考えたことがある方はどれほどいるでしょうか。効率をあげるというのは作業面で発生するさまざまな無駄を減らして目的を達成するということです。
仕事の中での無駄、それは主に2つのことに絞ることができます。それが時間・お金です。
効率の悪い仕事をするのはだいいち時間がもったいないですよね、本来なら1時間で終わる作業に3時間かかってしまうことがあれば問題です。
あなたの職場でも、あの人は効率が悪いな〜という方が1人はいるのではありませんか?次にお金です。効率が悪いと結果的にお金が無駄になるということにもなります。
先ほどの例にもあげましたが、効率の良い人が1時間で終わる作業を3時間かけてしまう人は、単純に考えて1時間で仕事を終わらせられる人に比べて3倍仕事ができないということになります。
もし二人とも同じ給料だった場合、経営者はどちらの方を信頼・仕事を任せるでしょうか?経営者であれば当然、1時間で終わらせてくれる方を選ぶでしょう。
時間とお金、このふたつは切っても切り離せない関係で、表裏一体なのです。作業効率・業務効率をあげるということは時間とお金を無駄使いしないということなのです。
効率をあげるためには良い環境というのは欠かせません。どれだけ優秀な人材でも、使用しているPCが悪くては仕事がはかどりませんし、効率が悪いです。
それと同様に照明を見直すことは大切なことなのです。
タスクアンビエント照明で作業効率を上げる
オフィスでの作業効率をあげることで有名な照明術がタスクアンビエント照明です。タスクアンビエント照明と言われてもピンと来ない方が多いのではないでしょうか?
タスクアンビエントとはタスク=対象物、アンビエント=周辺物、と照明をあてる場所を使い分けることで作業効率化をはかる照明術なのです。
一言でタスクアンビエント照明を説明すると、タスクアンビエント照明にすることは、簡単に集中する時間と少し緩める時間を個々のタイミングで調節できる照明術です。
タスクアンビエント照明とは
それでは、実際のタスクアンビエント照明の方式をご説明していきます。
通常のオフィスの照明の場合、おそらく大半がオフィス全体を明るく照らす照明が付いているだけでしょう。ほとんどがダウンライトやシーリングライトを利用していると思います。
白く明るい色の照明を使っているオフィスが大半かと思いますが、これでは無差別的に脳を覚醒させる光を当てていることになり、その結果集中力が続かず効率が悪くなってしまいます。
タスク=対象物、アンビエント=周辺物と説明しましたが、タスクアンビエントの照明のやり方は至って簡単です。
オフィス全体に統一の意識を持たせる
まず天井からのオフィス全体を照らしている照明を弱めます、弱めると言ってもオフィス全体の雰囲気などもあるかと思うので暗すぎてもいけません。
アンビエント照明の役割としてオフィスフロア全体の雰囲気を統一させるという効果があります。
さまざまな人がそれぞれの形で動き回っているフロアで、1人1人がそれぞれの仕事をしていると言ってもチームとして噛み合っていなければ全体の効率も落ちてしまいます。
1人1人が集中できる環境づくりを
まずベースライトとなる天井の照明 (アンビエント)を決めたら次はデスクにあたる照明(タスク)を設置します。このタスクにあたる照明は白く集中できるような明かりを設置します。
こうすることで、集中する時間は自分のタイミングで決めて、業務の効率化を図ることができます。
またタスクアンビエント照明のメリットとして、全体の照明数、照度を抑えることができるので、省エネ効果、照明代をカットする効果もあるのでおすすめです。
照明で変わるオフィスの印象
オフィスの印象は照明ひとつで変わってきます。特に会社の人間ではなく外部からの来客に対しての第一印象を決めることにもなります。
ここではオフィスの場所やシーンごとに気をつけたい照明の選び方について、説明していきたいと思います。
エントランスの照明選び
オフィスのエントランスはいわばオフィスの顔にもなる部分です。会社のイメージや雰囲気に合う照明選びを心がけましょう。
たとえば、アパレルなどデザインが問われる業種であればお洒落なイメージ、高級なイメージを出したいのであれば、光色は色温度の暖かいオレンジ色の暖色系で調光も効くような間接照明などを多く使用する事をおすすめします。
逆にたとえば医療関係など衛生的なイメージ、誠実なイメージを出したいのであれば光色は白い寒色系を全面に出す明るい照明を使用したいですよね。
上でも説明をしましたが、色が人に与える視覚効果はかなり大きいものです。照明はもちろん、それが照らされる床の色や壁の色などにも気を使って選びたいものです。
会議室の照明選び
会議室、ミーティングスペースは集中をするよりも、コミュニケーションをスムーズにできるような環境づくりを目指すべきです。そのため暖色系の色の方が合うといえるでしょう。リフレッシュルームなどにも最適です。
また中小企業に多いのがミーティングスペースと来客スペースが同じ部屋を使用するパターンです。なにかプレゼンテーションをするような時には誠実な印象を持ってもらいたいので寒色系にするとよいでしょう。
LED照明であれば、蛍光灯とは光源も違い、色や明るさも調節できるので、TPOに応じて変えていくのがよいでしょう。
作業フロアのスペースの照明選び
実務が行われる作業スペースの照明選び、ここではタスクアンビエント照明が活躍するスペースですね。
全体的に集中できるような環境づくりが大切になってきます。人の集中力は1時間程度しか持たないと言われていますので、フロアを真っ白な照明で緊張感のあるスペースにするよりは、タスクアンビエント照明で集中する時間とそうでない時間を作れるような空間作りが大切です。
タスクアンビエント照明は日本ではまだ実践してる企業は少ないですが、欧米・北欧諸国では主流になっている照明術です。
昔ながらのオフィスにこだわらず、どんどん新しいものを取り入れていくことで若い社員のモチベーションも上がります。
ON/OFFを切り替えて作業効率を上げる
ここまではよりよい環境での作業空間を作ってあげることで業務効率が上がっていくという話をしてきました。大切なことはいかに集中できる時間を作れるかということです。
人の集中力は1時間しかもたないと言われているように、出社中はずっと集中して仕事をしろというような会社は、結果的に業績が上がりにくいです。
業績がよい会社ほどONとOFFがハッキリとできるような作りになっています。
日本のオフィスの風潮とし、て長く苦労をしている人が偉い、残業をしている人が偉い、といった風潮がありますが、海外ではこれとはまるで逆の考えになります。
残業をしている人は効率が悪く、時間内に仕事を終わらせられない効率の悪い人。しっかりと定時に退社する従業員ほど仕事ができる人という風に見られます。
そういった良くない風潮は、本当に会社を成長させたいのであればどんどん排除するべきです。
OFFの時間や場所を大事に
業績がよい会社ほど、効率よく仕事が進んでいるわけですが。それと比例し、OFFの時間やスペースを大切にしているという傾向があります。
具体的には、食事を取るスペースや休憩スペースをしっかりと設けてあげるということが大切になります。
大きな企業ともなるとカフェスペースやマッサージやエステが受けられるといったスペースがあるというほど、リラックスできるスペースを大事にしているという事が分かります。
これは会社が従業員リラックスできる環境を作ってあげることで仕事の業務効率をあげることができるというを考えを持っているということの表れだと思います。
照明と同じくらい、オフィスの配色にはこだわりを
さきほど少しエントランス部分の壁や床色についてもふれましたが、視覚的な色が人に与える効果のことを考えると実務が行われるオフィススペースでも配色のこだわりは重要と言えます。
デスク選びひとつをとっても、とにかく安いものを探すのではなくオフィス全体に統一感をもたすような色選びや機能性のあるデスクを選ぶ事で、快適に仕事をすることができます。
オフィス照明はシーンや目的によって変えるべき
業務効率をあげるための照明術や色が人に与える精神的効果についてご紹介してきましたが、参考にしていただけたでしょうか?
業務効率をあげるのは、仕事のやり方だけではないという事がお分かりいただけたかと思います。
集中できる環境づくりはもちろん、リラックスできる環境づくりをすることで業務効率を向上させることができます。
従業員は機械ではないので、いかに気持ちよく仕事をしてもらえるかという考えを持つだけでも大きく変わってくると思います。
オフィスなどでは上下関係などももちろんありますが、あくまで会社であり、チームなんだ、という意識をもつことが最後には業務効率をあげることに繋がっていきます。