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近年、利益を出すために経費削減に力を入れる企業が増えてきています。ペーパレス化や省エネ家電による電力節減など限られた資源を大切に使うことは、地球にも優しい取り組みです。

照明器具も同様で、白熱球から省エネなLED照明に切り替える企業が増えてきています。しかし、LED照明は白熱電球よりも初期費用は2割以上高くなってしまうため、導入を迷っている企業も多いようです。

実は平成29年度に国がLED導入企業に補助金を出していた事はご存知でしょうか?導入された企業の中でこの制度を利用した人もいるのではないでしょうか。

本記事では平成30年度の公募に関する情報を平成29年度との違いや概要と合わせて紹介したいと思います。

「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」とは?

平成29年度に公募された「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」を利用すると、事業者のLED照明の導入に補助金が支給されます。あまり聞きなれない制度ですが、一体この制度はどのような制度なのでしょうか?

制度がおこなわれる目的

エネルギー使用合理化等事業者支援制度は、国の2つの目標を達成するために作られた制度です。

一億総活躍社会への実現

政府が掲げている目標である「一億総活躍社会を実現する強い経済」を実現するための取り組みのひとつとして、政府は企業への省エネルギー設備の導入支援を行っています。省エネルギー化を行うことでより企業の生産性アップを狙っています。

省エネルギー政策

もう一つは、政府の省エネルギー政策の一環として行われています。政府は2030年度最終エネルギー消費で5,030万klのエネルギー寄与を目標にいろいろなエネルギー対策を実施しています。

「エネルギー使用合理化等事業者支援制度」は事業者が省エネルギー設備を導入する時に利用できる制度です。LED照明も省エネルギー設備の対象として含まれています。

事業内容

支援事業は大きく二つに分けられます。

工場・事業所単位での省エネルギー設備導入事業

業種や設備は限定されておらず、下記の3つの事業に当てはまれば申請が可能です。

省エネルギー対策事業

省エネ設備への更新・改修等によって、計測・省エネの見える化の機能等を備えたエネルギーマネジメントシステム「省エネルギー対策事業」

ピーク電力対策事業

太陽光発電のような蓄電池・蓄熱システム・自家発電設備を導入することで電力ピーク時間帯の電力使用量を削減する「ピーク電力対策事業」

エネマネ事業

エネルギーマネジメントシステムを用いたエネルギー管理支援サービスと契約する「エネマネ事業」が補助金対象となります。

設備単位での省エネルギー導入事業

規定の設備を省エネ性の高い設備へ買い替える場合の補助制度です。対象となるものは、10項目決まっています。

・高効率照明

・高効率空調

・産業ヒートポンプ

・業務用給湯器

・高性能ボイラ

・高効率コージェネレーション

・低炭素工業炉

・変圧器

・冷凍冷蔵庫

・産業用モーター

以上の導入が対象となります。

エネルギー使用合理化等事業者支援制度の募集内容

平成29年度の補助金制度への公募の流れと条件はこのような内容でした。

応募の流れ

はじめに、「一般社団法人環境共創イニシアチブ」ホームページで氏名や住所などの簡単な登録を行います。

アカウント登録を行うと、1日後に「補助事業ポータル」のアクセス先とログインに必要なIDとパスワードがメールで送られます。

届いたURLのサイトにログインして申請用紙をダウンロードし、郵送で締め切りまでに応募します。(受け付けは郵送のみです)また、書類審査は先着順ではなく審査になります。

書類審査後にネットにて補助金対象に選ばれたかどうかが発表されます。

対象者

補助金対象者は下の条件にすべて当てはまる事業者に限られます。

本補助金に交付申請を行う者は、以下の要件をすべて満たすこと。

1.国内において事業活動を営んでいる法人および個人事業主
2.原則、国内において補助事業により設置する補助対象設備の所有者であり、その設備の法定耐用年数の間、継続的に使用する者であること
3.事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有していること
4.経済産業省の補助金等停止措置または指名停止措置に該当しない者であること

引用:http://www.tlt.co.jp/tlt/information/news/20170523/20170523.htm#Sec11

補助金額

平成29年度の補助金の予算額は約234億円でした。実際に補助される金額としては下記の通りです。

①工場・事業所単位での省エネルギー設備導入事業の補助金額は設計・設備費・工事費にかかった金額の一部(※事業種別ごとに率がことなります)上限15億円・下限100万円です。

②設備単位の補助金額は、設備費の3分の1以内の上限3,000万円・下限50万円です。

ただし、中小企業、個人事業主の下限は30万円となります。この補助金事業は、上限金額だけでなく下限金額も決まっているのであまり安い設備投資では補助金の対象にはなりません

平成29年度事業実績

昨年補助金制度を利用した企業はこちらです。

・コカ・コーライーストジャパン株式会社
・株式会社北越
・株式会社ホテル新潟(ANAクラウンプラザホテル新潟)
・みちのく製氷株式会社
・三菱自動車工業株式会社
・株式会社たらみ
・東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
・株式会社ニート
・医療法人むすびの森 あきた病院

ほか

LED照明の補助対象範囲は?

気になるLED照明の補助対象範囲に関して詳しくご説明しましょう。設備単位の補助金の「高効率照明」がLED照明の対象になります。

LED照明器具はもちろんですが、LEDダウンライト、LED高天井用器具の種別になる照明器具、電球、その周辺で必要な電源、レンズ、照明ルーバー、カバー・枠、ガード、取付金具、リニューアルプレート、リモコン(コントローラ・調光器・人感センサー含む)までの金額が対象になります。

細かく決められた対象のLED照明

取り付けられる照明の寿命・ワット数・明るさなど細かい規定があります。

たとえばLEDダウンライトの場合、穴の直径は300mm以下、昼光色・昼白色・白色であれば電力効率が85lm/W以上のもの、温白色・電球色なら電力効率が75lm/W以上でLEDモジュール寿命が40,000時間以上であることが条件になります。

その他の注意が必要な項目

その他に注意しなければいけない事としては

・導入する設備が兼用・将来用・予備設備ではないこと

・固定資産として償却される設備であること

・省エネルギー消費に関係のないオプション機能は追加していないこと

以上の項目なども除外事項にあげられているので確認しなければなりません。

平成30年度の公募期間が公表!

平成30年、本年度も昨年同様に補助金制度「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」の公募が行われることが発表されました。

公募募集内容

経済通産省・一般社団法人環境共創イニシアチブより発表された平成30年度の「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」の公募内容は平成29年度とほとんど変わりありません

公募期間

平成30年5月28日(月)から7月3日(火)の午後5:00必着で申請書類を郵送します。申請用紙は、事前にポータルサイトに登録が終わっていないともらえませんので、余裕を持って手続きをしてください。

アカウント登録はこちら:https://sii.or.jp/form/cutback30/

公募結果の発表

平成30年8月末(予定)

予算額

約190億円。昨年度よりマイナス44億円の予算のため競争倍率は高くなりそうです。

問い合わせ先:「一般社団法人環境共創イニシアチブ」http://sii.or.jp/

設備投資をするなら省エネなLED照明に

経済通産省から企業の設備投資に補助金が出るのは嬉しいですね。工場の設備が老朽化してそろそろ改修が必要な事業者の皆さんはぜひ照明器具はLED照明にしてはいかがでしょうか。

補助制度を利用すれば初期投資費用の3分の1が補助されるので、普通の白熱球を取り付けるのと変わらない経費で寿命の長いLED照明に替えることができます

LED照明にすれば日々の電気代の節約にもなりますよ。ただし、本年度は昨年より国の予算額が少ないですので競争倍率は高くなる可能性があります。

すべての人が補助金を受け取れるわけではないので、書類審査をクリアできるように内容に正確に記入し早めに応募を。わからない事があれば「環境共創イニシアチブ」に問い合わせましょう。

7月3日までまだ日がありますので気になる方は「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」をチェックして見てください!

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