地震大国と呼ばれるほど、地震が起こる頻度が多い日本では耐震リフォームは時期が来たら必ずやるべき工事といえますが、高額な費用に耐震リフォームをためらう方も多いのではないでしょうか。
しかし、今後大きな地震が起きるとも言われており耐震リフォームはしておいた方がいい工事のひとつといえます。少しでも出費を抑えて安心で安全なお家を手に入れるためには補助金、減税、助成金の制度を利用することがおすすめです。
今回は、耐震リフォームの際には補助金、減税、助成金などの制度についてご紹介していきたいと思います。耐震リフォームで活用できる補助金などの知識をお探しの際はぜひ本記事を参考にしてみてください。
耐震リフォームの補助金・減税制度とは
耐震リフォームは部分的なリフォームでも高額になってしまいがちですが、安心や安全を手に入れるためには出費となっても住まいのメンテナンスとしては必要でしょう。
そのため、少しでも費用を抑える効果として利用したいのが耐震リフォームに使える減税制度です。条件としては昭和56年5月31日以前に建築された建物については、耐震改修を行うと減税措置を受けることができます。詳細は下記で説明していきたいと思います。
減税制度
リフォーム減税とは、リフォームをすることで「所得税」の控除や「固定資産税」の減額、「贈与税」の非課税措置を受けられる制度です。
耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォームの3種類がメインで対象になります。対象者となる人は耐震改修リフォームを実施した住宅に居住する人で一定の金額をその年分の所得税額から控除されます。
住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額の10%、平成26年4月1日から平成29年12月31日までに改修した場合、最高25万円までとされています。
手続きの流れ
確定申告書とあわせて準備が必要な書類は、住宅耐震改修特別控除額の計算明細書、住宅耐震改修証明書、家屋の登記事項証明書など、家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであることを明らかにする書類、住民票の写し、給与所得者の場合は給与所得の源泉徴収票を添付して納税地に提出します。
補助金制度
リフォーム補助金制度は、自治体によって支給条件や補助金として受け取れる金額に違いがあります。
またリフォーム補助金制度は一般的にリフォームにかかった費用の一部を助成するような仕組みのものが多く、そのほとんどに補助金の上限額が決まっています。
また、工事を行う前に申請する必要があるものも多くありますので補助金制度に対して申請せずリフォームを行えば、補助金制度の対象外となってしまいますので注意が必要です。不安な方は一度お住いの自治体に問い合わせてみましょう。
補助金をもらうための手順
「耐震リフォームの実施計画書」をもらい、確認したら各市区町村に提出します。提出した後は2~3週間程度の期間が必要になる場合があります。
次に提出した役所から「通知」が届き、許可されていれば工事を開始します。この時、通知が来る前に工事を始めてしまうと、補助金が受けられなくなる場合があるので注意が必要です。
工事が終了したら、期限内に「補助金交付申請書」や「工事実績報告書」を役所に提出します。次に、役所から通知書類などが1週間程度で届くので、受け取ったら期限内に「補助金交付請求書」を役所に提出し、処理が終了したら補助金が振り込まれます。
必要な書類はすべて各自治体で貰うことができますが、ネットを使ってオンライン上で入手することもできるようですが、不安な方は一度問合せしましょう。
金利も補助してくれる
自治体などによっては耐震リフォームのための融資について、サポートをしてくれる場合もあり、東京都江東区では耐震工事の費用について、住宅金融支援機構から融資を受けた場合に限って金利の1.5%に相当する額を補助してくれます。
このような制度を利用しながら、予算内でしっかりと仕事をしてくれる業者をを選ぶことが耐震補強をスムーズに進ませるたいせつなポイントといえるでしょう。
耐震リフォームは具体的になにをするの?
耐震リフォームの手順
まずはセルフチェックを行い、その後専門家に一般診断を依頼します。そして耐震リフォームの必要があればそのまま耐震リフォーム計画に移りますが、一般診断では耐震リフォームの必要性がはっきりとわからなかった場合は精密診断に移行する場合もあります。
耐震診断のあとは耐震リフォーム計画をたて、耐震リフォーム計画の際に必ず業者とリフォーム内容や予算について話し合い、しっかり相談しましょう。
耐震リフォームの内容
まず、基礎の補強 建物を支える基礎がしっかりしているかなどチェックし、ひびが入っているところがあれば、そこの改修を行います。
そして建物の土台や柱が腐食していたりシロアリによる被害を受けている場合は、土台の取り替えなどを行い直していきます。
次に壁の補強を行い抵抗力の強い壁に変えます。そして、地震で建物が揺れたときに倒壊しやすくなるのを防ぐために屋根の軽量化を行います。
耐震診断を行いましょう
耐震診断とは、自宅の耐震リフォームを検討する場合は、まずは住宅の耐震診断を実施し、今現在の自宅の状態を知ることが重要になってきます。
耐震診断を実施すると、その結果を数値化することでどの程度自宅が倒壊の可能性があるかを知ることができるというものです。
業者選びなどの前にまずは、耐震診断を行いお家の状態をチェックしましょう。耐震診断をしっかりと行うことで耐震工事が必要な場所を明らかにすることができます。
セルフ診断をしてみましょう
プロによる診断だけではなく、その前に自分でもできる限りのことをしてお家の状態などを把握しておきましょう。
セルフ診断や見積もり依頼後の調査などに自分でも立ち会うこと、悪徳業者の特徴を頭に入れておくなどによって、悪徳業者を見抜くことや悪徳業者に騙されることを防止できるかもしれません。
耐震工事業者はどうやって選ぶの?
悪徳業者の特徴
悪徳業者は、急に訪問してきて耐久性が危ないなどと危機感を持たせてその場で強引に契約を成立させようとしてきます。
悪徳業者の中には、話がうまい人も多く、一度話を聞いてしまうと「そうなのかも」と思えてきてしまうこともあり、最終的には騙されてしまうのです。自宅を急に訪問してきて緊急性を伝えてくるケースの多くは悪徳業者ですので注意しましょう。
また悪徳業者は、作業工程が雑に施工されることも目立ちます。しっかりとした調査や準備ををせずにいきなり工事をしようとしてきたらほぼ悪徳業者ですので注意しましょう。
また、極端に価格の安い場合も怪しいと言えます。見積書の「〇〇の項目を無料にします」などのサービスは一見ありがたいようにも思えますが、どの費用も業者側にとっては売り上げにつながってくる重要なものです。
数万円や数十万円という金額をいきなり無料にするということはほぼないのではないでしょうか。
それをすると言ってくる場合は、無料にするといった分の費用を別の項目で回収しているだけなので結果的には無料になっていないという場合も多くありますので騙されないようにしましょう。
また、見積書に「〇〇一式」など詳細がまとめて書いてある場合は金額などをごまかそうとしている可能性があるため、突っ込んで詳細を聞いたほうがいいでしょう。それでもごまかされていると感じた場合はその業者はやめたほうがいいでしょう。
業者の選び方
まず、気になる業者を調べいくつか候補を挙げ候補すべてに見積もりを依頼します。見積もりは大抵の場合無料のところが多いようですが、有料の場合はその時点で候補から外しましょう。
依頼した見積もりを業者から出してもらったら、すべての見積もりを比較して上記で上げたような悪徳業者の要素がないか、知識が無い人が見てもわかるようになるべく丁寧に書いているか、価格はどうかなど気になる点を比較しましょう。
そして、候補の中から絞った業者に調査に来てもらいましょう。その調査の時にも自分もしっかりその場にいて業者の対応などをチェックしましょう。
自分は仕事やお出かけなどで外出し、調査は業者に任せる方もいらっしゃるようですが、相手が悪徳業者だった場合、調査やその先の実際の工事で手を抜かれる可能性があるので調査のときは必ず自分も在宅して立ち合うことをおすすめします。
そして、調査が終わり結果が届いたら実際に工事を依頼するかどうかを決めましょう。今までの流れの中で、業者に対して不安や、不満の感情がある場合は一度考え直しましょう。ご自身に合う親切な業者を探しましょう。
補助金制度を利用しましょう
今回は、耐震リフォームの際には補助金、減税、助成金の制度についてと、どのくらいの金額を補助してくれるのかなどを紹介してきました。
耐震リフォームは、身を守るためには必要なことだとはわかっていても高額な費用が必要になってきてしまうので、いつ起こるかわからない地震のために高額な費用を使はなければいけないのは少しためらってしまう気持ちもありますよね。
しかし、今後約30年間の間に大きな地震が起こるともいわれており、耐震リフォームや耐震に対しての重要性は高まっているとも言えます。
耐震リフォームの際には補助金、減税、助成金などを利用し少しでも費用を抑えながら、そして耐震リフォーム以外の地震に対する備えも行い安心安全な生活を送れるようにしましょう。
補助金、減税、助成金などには条件がありそれぞれの市区町村、自治体によって異なりますので、補助金などを利用したい場合はまずはお住いの自治体に問い合わせてみましょう。耐震リフォームの補助金制度についての知識をお探しの場合は本記事を参考にしてみてください。