最近、オフィスや家庭ではLED照明が当たり前になってきました。LED照明は商品自体は少し蛍光灯など高いですが寿命がとても長く、消費電力も少なく済むためコスパがとてもいいです。そのためLED照明に替える人がどんどん増えています。
では工場や倉庫のような面積が広く、照明の数がたくさん必要な場所はどうでしょう。大手企業の多くは工場や倉庫にもLED照明を導入しています。それは、LED照明に替えた方が工場や倉庫でもメリットがあるからです。
しかし、工場や倉庫で照明器具を交換しようと思うと照明の数も必要なため多くの初期費用がかかります。そのため導入を悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、工場や倉庫がLED照明に替える、導入メリットとその魅力を紹介してみようと思います。ぜひ導入の参考にしてみてください。
工場・倉庫にLED照明が向いている理由とは?
LED照明が工場や倉庫に向いている理由はたくさんのメリットがあるからです。
コスト削減
まず、経営者として一番気になるところはコストの部分だと思います。LED照明は水銀灯に比べて約4倍の寿命があると言われています。
水銀灯の交換の目安が3年に1回なのに対し、LED照明は12年に1度で済みます。LED照明は長く使うことができる照明です。
また、工場のように高い天井は照明の交換だけで業者に依頼しなくてはなりません。交換回数が少ないということでその費用も抑えることができます。
作業環境の改善に
LED照明にするとその工場や倉庫で働く人の作業環境も快適になります。職場環境の改善は生産性の向上にもつながります。
照明の熱で暑くなりにくい
LED照明は熱を持ちにくい照明です。そのため室内の温度にほとんど影響を与えません。LED照明にすることで、真夏の室内の温度上昇を抑えることができるため熱中症対策のひとつになります。また、室内温度が上がらない分空調経費の節約にもなります。
すぐに点灯する
LED照明は点灯までに時間がかかりません。水銀灯は一度消すとつくまでに時間がかかります。そのため休憩時間などで一度消すと点灯するまでに作業が中断されていました。そういった無駄な時間を省けます。
照明焼けしにくい
倉庫で長期間商品や梱包資材を保管していると、紫外線の影響で照明焼けをしてしまうことがあります。
LED照明は、紫外線や赤外線がほとんど出ていないので照明焼けによる劣化を防ぐことができます。
照明焼けをしにくいということは、絵画などの芸術作品の保管にも適しています。
工場に適した光
LED照明の光は明るく、色も鮮明に見えるので黒や紺といった似た色の商品の見分けもしやすくなり作業効率も良くなります。
また、LED照明の光は紫外線が少ないので虫も寄せ付けにくいです。異物混入のリスクも下がります。
環境にも優しいLED照明
地球温暖化や公害による環境汚染が問題になっている近年では、企業の社会的責任としても積極的に環境活動に取り組む企業が増えています。また、環境活動に取り組むことは企業のイメージアップにもつながる社会貢献の一環です。
CO2排出量の削減
LED照明に替えると使用電力量を大幅に削減できます。電力量が少なくてすむということは電気代が安いだけでなく、CO2の排出量の削減にもなります。
有害物質を含まない
水銀や鉛やカドミウムといった有害物質をLED照明には含みません。そのため電球交換時の廃棄も容易に行うことができますし、環境にも優しいです。
利用してほしい「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」
今、世界では2030年を目標に省エネルギーをすすめる取り組みが行われています。日本でも5,030万kl削減(現在のエネルギー使用量の-13%)を目指しています。
その一環として、省エネ設備を導入する企業への支援として「省エネルギー投資促進に向けた支援事業」を行っています。
そして、LED照明もこの支援事業の省エネ設備の対象です。この制度を利用すれば導入費用の3分の1を補助してもらうことができます。平成30年度も公募していますので、是非参考にしてみてください。
環境に適したLED照明の導入を
工場や倉庫は建物の広さ、機械や棚の大きさ、室温などは業種によって様々です。LED照明はそんな様々な環境に適したものを選ぶことができます。
高天井タイプのLED照明
LED照明には高天井タイプがあります。家庭用の明るさが、60Wで約810lmに対し、高天井タイプの明るさは100Wで約15,000lmあります。
高い天井からでもしっかり照らすことができます。しかし、こんなに明るくても消費電力は抑えられています。水銀灯で同じ明るさにするには4倍以上の電力量が必要なことを比較した場合LED照明はとてもパワーがある照明と言えます。
防塵タイプのLED照明
室内での製造業で衣料品などは工場内の塵や埃がとても多いです。そのような環境では、大量の塵や埃が原因で照明から火災が起きる可能性があります。工場向けのLED照明には防塵タイプのものがあります。塵や埃な照明器具の中に入り込まず故障も防いでくれます。
防湿タイプのLED照明
工場の中には、製造の過程で室内が結露しやすい環境もあります。そんな場所には防湿タイプのLED照明がおすすめです。室内と屋外の温度差のある施設にも向いています。
冷凍・冷蔵施設用LED照明
冷凍庫内は室温がマイナスになります。その中でも使用できるように-40℃まで対応したLED照明があります。防湿使用にもなっているので結露も安心です。
屋外用のLED照明
LED照明は屋外用もあります。トラックヤードのような軒先で使えるように防雨使用になっています。LED照明は紫外線を出していないので虫も寄り付きにくいです。
LED照明が適さない場所
LED照明にも一部あまり適さない環境があります。それは、常に水が直接かかる環境や業務用浴場のような高温多湿のところです。そのような場所ではLED照明を取り付けることはできません。
水銀灯・蛍光灯は今後無くなってしまう?
水銀灯や蛍光灯はだんだん無くなっています。早いタイミングでLED照明に切り替えることをおすすめします。
水銀灯の製造・輸入禁止
国連環境計画は、2009年より水銀による汚染について調査を始めました。水銀汚染による環境へのリスクが高いことから、水銀および水銀使用製品の製造と輸出入を規制する国際条約「水銀に関する水俣条約」が2013年に世界92カ国の間で結ばれました。
これにより、2021年以降は水銀製品にあたる電池・体温計・血圧計・電気スイッチ・そして照明器具の製造・輸入共にできなくなります。そのため工場や倉庫で使われている⼀般照明⽤の⾼圧水銀ランプも禁止対象になります。
蛍光灯・HID器具の生産終了
大手電機メーカーのパナソニックは、2019年3月をもって蛍光灯照明器具の製造の終了を発表しました。
蛍光灯・HID器具の生産終了を発表したのはパナソニックだけではありません。⼤⼿照明器具メーカーのほとんどは、2017年から2,3年以内の蛍光灯・HID器具の生産終了を発表しました。
近年の経営不振から事業部門を将来性のあるものに絞る傾向があり、照明分やでは環境にやさしく、省エネなLED照明の製造に集中する動きがあります。
メンテナンスへの対応
「うちの工場の照明器具はまだ使えるから大丈夫。」と思っていませんか?生産が終了になると数年でメーカーでの交換部品のストックが終了します。
そのため故障しても修理の対応ができなくなります。パナソニックもメンテナンス用の蛍光灯の製造は6年までと発表しています。なるべく早めにLED照明に切り替えておいた方がいいでしょう。
工場や倉庫でも最適なLED照明
水銀灯や蛍光灯は今後なくなってしまうことは決まっています。今水銀灯や蛍光灯を使用している工場や倉庫の方は、そろそろ切り替えの準備を始めてください。
水銀灯の寿命は3年前後です。次の付け替えタイミングにはLED照明に切り替えた方がいいでしょう。電球の切れる3年後までにLED照明に切り替えの準備をおすすめします。
そして、いずれ交換するのであれば早い方が絶対お得です。LED照明はランニングコストも抑えることができますし、経費を削減することもできます。
また、働きやすい環境づくりにもなり、生産性の向上にもきっとつながるでしょう。LED照明は家庭用照明だけでなく業務用にも適しています。工場や倉庫でも活躍することまちがいなし!ぜひLED照明を導入してみてください。