外壁塗装は一見、壁に色を塗るだけの工事で、ご近所に迷惑をかけるような工事ではないとも思えます。
しかし、実際のところは外壁塗装工事にはいくつかの工程があり、工事にはとても大切な足場を組むための作業、高圧洗浄機の音など工程の中にはどうしても騒音となってしまうことがあるのです。
そうして、上記のようなことから近隣トラブルにつながってしまっている、というケースが多々あります。今回は外壁塗装で近隣トラブルになった例、事前にしておいたほうがいいこと、確認しておいたほうがいいことなどを紹介していきたいと思います。
外壁塗装で近隣トラブル?苦情を避けるためには?
冒頭でお話した通り、外壁塗装の施工では、騒音や臭いなどが少なからず出てしまいます。何も知らされずに始まってしまうと、周りからの怒りを買いやすくなってしまいトラブルの原因となってしまいます。
ここでは、実際にあった苦情の内容、そうならないための対策方法をご紹介していきたいと思います。
実際にあった苦情
足場の設置と解体作業の騒音
外壁塗装に関する騒音は、決して小さくありません。一般的な人の休日である土曜日や日曜日に迷惑を掛けないように……と工事日を平日にしている人も多い思いますが、平日が休みの仕事もとても増えています。
事前に近隣に報告をしていなかった為に、騒音に対する苦情が来てしまうといったケースはトラブルの中で一番多い事例です。日にちを気にするのも大事ではありますが、事前に挨拶と報告を行うことが大切です。
また、外壁塗装工事は高い位置の工事も行うので、足場の設置をしてから工事を進めます。足場を組み立てる際に、枠組みの足場同士が当たる音がするので、想像以上に不快に感じてしまう方もいるので注意しましょう。
塗料の臭いがキツイ
外壁塗装工事で使用される塗料にはシンナーが使われていることが多く、臭いが原因で気分が悪くなったり、頭が痛くなるなどの体調不良になってしまったという苦情も少なくありません。
事前にできる対策としては、水性塗料がおすすめです。油性塗料とは違い水性塗料は水で塗料を薄めるタイプのためシンナーを使わないので臭いの苦情が来ることは少なくなるでしょう。
外壁塗装の状態や、今後の為を考えどうしても臭いが出てしまう塗料を使用する場合は、しっかりと事前に工事の日程の相談や、詳細を近隣の方に伝えておくことが大事です。事後報告では意味がないので、気配りは怠らないようにしてください。
周りの人たちも事前に把握していれば準備もできますし、臭いが気になるという人の場合は、塗装をしている日、その時間帯に出かけるという手段も取れます。相手を気遣う気持ちをもち、選択肢を用意しておくことが大切と言えます。
近隣とのコミュニケーションが重要
近隣トラブルの一番の原因は、事前に知らせることなく工事を始めてしまうことです。何事においてもそうですが、挨拶やコミュニケーションを取っておき、「迷惑をかけるときはお互い様」と思えるような関係作りをしておきましょう。
トラブルは近隣だけじゃない?
トラブルは近隣の方と起こるだけとは限りません。実は業者との間でのトラブルも発生してしまう可能性があるのです。業者とのトラブルとは一体どのような内容なのかということを下記で説明していきたいと思います。
解約しようとしたら違約金を請求された
間違って契約してしまった場合や、見積もりの詳細の説明をしてくれないので信用できなくなり解約したい旨を話したら、違約金を請求されてしまったというお話です。
このような場合はクーリングオフを利用する事実を伝えましょう。クーリングオフは商品や権利の販売や役務に関して適用されるもので、これは塗装においても例外ではありません。飛込み営業で、契約した住宅に関する工事のほとんどがクーリングオフが利用できるケースです。
見積もりの説明をしない
外壁工事の費用の内訳は、塗料などの材料費が細かく計算されて書かれていることがほとんどです。見積書の内容の詳細説明がないのに依頼してしまい、完成した後にトラブルになるというケースも多々あります。
そういったトラブルにならない為にも、見積書の詳細説明は自らお願いするように心掛けましょう。
外壁塗装の悪徳業者にはご注意を
トラブルが起きる可能性があるのは近隣や業者だけでもなく、「悪徳業者」に引っかかってしまうという可能性もあります。その場合は通常掛かる費用よりも多かったり、完成が雑だったりとマイナス要素がとても多くなってしまいます。
ここでは、よくある悪徳業者の手口を紹介していきたいと思います。
いきなり訪問してきて決断を焦らせる
いきなり訪問してきて、外壁の状態などが劣化していて危険や大幅な値引きなどを持ち掛けてきた場合は、まず悪徳業者と考えて良いでしょう。緊急性があると焦らせて、早く決断を迫る流れは、ほぼ間違いなく悪徳業者の手口です。
このような流れの場合は、口車に乗せるのがうまいので話を聞かずに断りましょう。一度話を聞いてしまうと、契約したほうがいいのではないかと錯覚に陥る人もいるので注意してください。
躊躇なく大きな額の値引きをする
大きな額の値引きを、平気でしてくる場合も悪徳業者の特徴と言えます。特に高い位置の作業も含まれる現場には、必要な足場の設置の大幅な値引きをしたり、無料にしてきたりする場合は要注意です。
本来であれば足場の設置や解体は想像するよりも大変な作業な上に、近隣の方の迷惑にならないようにとなるべく音を立てないように気を使って作業しなくてはなりません。
足場の設置は工事をするときに不可欠なもので、それをサービスとするという業者は、見積もりの別の内訳の中に、金額を上乗せしているパターンがほとんどです。
まとめて書かれている見積書
「◯◯一式」などと見積もりの詳細がまとめて記載している場合、不必要な金額を勝手に上乗せしていて、それを隠すためにそのように記載している可能性があります。
また、聞いても詳細を詳しく教えてくれない場合は、依頼者が外壁塗装に関してや見積もりに関しての知識が無いと思っていて、意図的にそのような書き方をしていることも考えられます。
また「◯◯一式」というような書き方は、詳細を記載していないことになるため手抜きの工事をされやすくなります。このような悪徳業者につかまらないために、ご自身でも調べられる範囲で知識をつけておきましょう。
キャンペーン期間中だと勧める
業者の広告でのキャンペーンは信用できるかもしれませんが、訪問して勧めてくるやり方は信用性が低いです。今だけ安いという言葉で緊急性をあおり、利益を沢山得ようとしている可能性が高いので、絶対に信用してはいけません。
業者のオリジナル塗料を進めてくる
塗料は、塗料メーカーがさまざまな研究の上に塗料を開発しています。プロの職人が時間をかけて研究を重ねないと出来上がらない良質な塗料を、塗装作業を行うことが仕事の一般業者には作れません。
自社のオリジナル塗料として塗料をすすめてくる業者は、信用できませんので注意しましょう。本来の塗料メーカーの塗料のラベルを外して、自社制作のラベルを作り勝手に張り付けて自社の塗料と主張するような悪徳な業者もいるようです。
近隣トラブルにならないよう外壁塗装工事の前にはあいさつを
今回は、外壁塗装で近隣トラブルにならないための方法をご紹介してきました。外壁塗装工事などの工事をする場合、事前に挨拶をして詳細を話しておくことはとても重要ということは忘れないでください。
事前に話をしておくことでトラブルを防ぐ、もし起きてしまっても最小限に抑えることができます。また、工事期間中に近隣の方にお会いした場合は、こちらから声をかけ再度ひとこと騒音で迷惑を掛けている旨を伝え、謝罪の面を見せるようにしましょう。
また、トラブルに関しては近隣だけではありません。業者との間でのトラブル、悪徳業者を選んでしまったが故の失敗などのケースもあります。業者選びは費用面だけでなく、完成形となる質にもこだわるように注意しましょう。
外壁塗装の業者はどこがやってもそんなに差がないのでは……と思っている人もいるとは思いますが、本記事を参考にしていただき、今後の業者選びは慎重に行うようにしてくださいね。