突然ではありますが、みなさんは業務用エアコンの撤去費用、方法などは把握していますか?家庭用エアコンと違い多方面で複雑な業務用エアコン。
オフィス、事務所、店舗の移設や退居を検討している企業、そしてその担当をしている方は、全てではなくとも基本的な部分は知っておくべきであると私は思っています。
今回注目していきたいのは撤去の費用とその方法、事前に確認しておいたほうが良いことはどのくらいあるのか、という点についてです。
単純に「撤去=廃棄」ではありません。業務用エアコンのような空調機本体にはガスが流れていて、そのガスを抜く作業や取り外し作業などは専門業者の力が必要になってきます。
そして「家電リサイクル法」というものがあり、ゴミとして出すことを禁じられています。今回はこの撤去に関して、わかりやすく簡潔に紹介していきたいと思います。
業務用エアコンの撤去費用はどのくらい掛かるの?
今回のメインテーマでもある業務用エアコンの撤去費用に関してですが、結論からお話しすると『設置場所の環境、状況、種類による』ということになります。
業務用エアコンの撤去費用は◯◯万円くらいです、と一概に言えないのは、設置の際の工事費も同じになります。どういった場所に、何の種類の業務用エアコンを導入するか、このことにより金額は大きく変わってきます。
また、撤去をするだけなのか、撤去の後に新規で室内機の設置工事を行うかによっても金額は変わります。正確な撤去費用を知るには業者に見積もりを出してもらうしか方法はないということになります。
撤去前に確認しておいたほうが良いこととは
いざ業務用エアコンの撤去を行う際、一般的には業者に依頼すると思います。その問い合わせの前に事前に確認を行っておいたほうが良いことがいくつかあります。
見積もりを出してもらう際にも聞かれることが多々ありますので、その時になって困らない為にも把握しておくようにしましょう。今回は事前に確認しておいたほうが良い項目を4つ紹介します。
①撤去の目的を明確に伝える
どこの業者であってもまず一番に聞かれることが「撤去の理由」「撤去の目的」になります。その目的の1つ目は『処分』を目的とした撤去。
そして2つ目は『再利用』を目的とした撤去です。前者は単純に必要が無くなった場合で、後者は必要だけど移設や保管の為に処分するわけではない場合になります。
もちろんこのどちらかによって価格も変わってきますので、見積もりを出す際はきちんと明記するようにしましょう。
②撤去したい業務用エアコンの種類を伝える
業務用エアコンの中には、天井カセット形、天吊形、床置形、壁掛形などが一般的になります。撤去の際にどの種類を使用しているかによって必要な空調工事がわかります。
見積もりを出してもらうまで、スムーズにことを進むませる為にも今使用している業務用エアコンの種類を明確に伝えるようにしましょう。
③エアコン専用の電源について伝える
業務用エアコンの専用電源として「単相」「三相」というものがあります。工場や店舗の場合「三相200V」という電源の種類を使用している場合が多く、単相との違いは送電効率が高いなどが上げられます。
その分使用する電力も高い為、電気工事を別途行いブレーカーを別で用意している場合もあるので、その旨専門業者に伝えるようにしましょう。
エアコンの電源ブレーカーを別で用意している場合
これは撤去工事の際によくある事例ですが、普段使用している照明などのブレーカーの場所は把握していても、エアコンのブレーカーがある場所は把握していないことが多いようです。
担当の方は事前にどこにエアコンのブレーカーが設置されているのか確認しておくようにしてください。電源を落としていない状態では撤去の作業ができなくなってしまうので注意しましょう。
④設置場所はどのようなところにあるのかを伝える
ここまででも何度かお話には出てきていますが、撤去をしたい業務用エアコンが設置されている場所、その環境についてを伝える必要があります。
業務用エアコンは家庭用エアコンよりも大きさも重さもあります。天井に取り付けられているのか、置いてあるのか、その場所は何階にあるのかそれとも屋上にあるのかなどを明確に伝えるようにしましょう。
取り外しの工事にどのような機材、工具が必要かによっても撤去費用が変わってきます。標準工事内容でない場合があるので、伝え忘れのないように注意してください。
エアコンの撤去は自分でもできるの?
家庭用エアコン、業務用エアコンどちらも取り外しや撤去に関しては自分で行っても良いとなっています。しかし、室内機、室外機共に決して簡単な構造をしているわけではありません。
そして先程もお話した通り、大きさも重量もあります。こういった機器にはフロンガスを回収する為の回収機なども必要になってくるので全て備わっている方にしかオススメはできません。
専門業者に依頼することをオススメしますが、もし自分で行う際の注意事項などをご紹介していきたいと思います。
エアコンの位置を確認しましょう
これは業者に撤去の見積もりを出す際の伝達事項と同じにはなりますが、どの場所に設置しているかを確認しておきましょう。
何度もお話しているように重量は何十キロとあるので男性でも容易とは言えません。また、エアコンは重心が真ん中にあるわけではないので非常に持ちにくいです。
コストを抑えるために自分で行い怪我をした人はたくさんいると言われています。一人で無理だと感じたらきちんと業者に依頼するようにしましょう。
ガスの回収は絶対に行いましょう
エアコンの撤去作業で一番重要な点とも言えるのがこのガス抜き、回収の作業です。この作業の事を業界内では「ポンプダウン」とも言われているそうです。
このガスの回収作業をしておかないと怪我の原因にもなりますし、エアコン本体の故障の原因にもなります。処分ではなく、保管の際には重要なことになりますので注意しておきましょう。
ガスの回収はエアコン自体を数分運転させるだけで問題ないです。ポイントは冷房で回収作業を行うこと。寒い時期でなかなか電源が入らない場合は、強制運転スイッチがあるのでそのボタンを押して行うようにしてください。
電源・コンセントがきちんと抜かれているかを確認
ブレーカーはもちろん電源がコンセントから抜かれているかはしっかりと確認しておいてください。こちらもまた故障の原因になってしまいます。
コンセントを抜かずに配管、配線を取り扱ってしまう人がとても多くいます。業務用エアコンを保管し再利用を検討している方は、厳重に注意しておいてください。
エアコンの撤去に必要な工具はなに?
設置されているエアコンを取り外す際に必要な工具を、下記に載せておきますので事前に確認しておいてください。
・ドライバー(プラス、マイナス両方)
・ニッパー
・ペンチ
・六角レンチ
・テープ類(ガムテープ、ビニールテープ、養生テープ)
・モンキースパナ
・カッター
・エアコンキャップ
・エアコン配管用のパテ
工具ではないですが、こういった作業には軍手は必須です。取り外しの際には古い汚れなどがありますし、怪我を防ぐ為にも使用するようにしましょう。
業務用エアコンの処分方法の種類とは
専門業者に依頼してしまえば済むことではありますが、もし自分で撤去を行った際、手元に残った業務用エアコンをどうしたら良いか困ってしまいますよね。
冒頭でもご説明しましたが、エアコンに関してはゴミとして出すことはできません。リサイクルとして出す必要があるので、もし自分で撤去をした後の対応を下記に記していこうと思います。
不用品回収業者に依頼
最近不用品回収業者は増えているので一番手っ取り早いと言えばそうでしょう。しかし注意しておかないといけないのが「取り外してあるエアコンに限り無料」という場合もあります。また出張費が別途掛かってしまう場合もあるので注意しておいてください。
家電量販店に依頼
量販店でも小売店でも、エアコンの回収を行ってもらえるところはあります。きちんとリサイクルを行ってくれるので安心できる部分はありますが、回収費用が2,000~3,000円くらいは掛かってしまうので把握しておいてください。
回収依頼だけではなく、売却も可能
年式にはよりますが、物によってはまだ使用できる場合があります。最近主流となっているネットオークション、店舗での買い取りも視野に入れておくようにしてください。
業者に相談、事前に撤去費用を明確にしておきましょう
業務用エアコンの撤去費用はパッと見ただけで簡単にわかることではありません。今回紹介してきた項目を事前に業者へ相談し、金額を明確にしておくようにしましょう。
また撤去の方法に関しては無理に自分で行わないようにしてください。必要な器具や、機器もありますので業者に依頼することをオススメします。
新規で設置する場合も、撤去する場合も一人で検討するのではなく「業者へ相談」、これが一番だと思います。よりスムーズにことを進めさせるためにも、今回紹介してきた事前に確認しておいた方が良い項目をきちんと把握しておいてくださいね。