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この記事ではキュービクルの耐用年数、長期にわたって使用するために必要なことについてを詳しくまとめています。

長年キュービクルを扱ってきた実績のある小川電機株式会社の前田さん(一級電気施工管理技士)に、「キュービクルの耐用年数や、長く使う秘訣について事業者が知っておくべきこと」というテーマで話を伺い、プロの目線からご回答頂いた内容を記事にしています。

キュービクルの交換を検討している事業者の方にご一読いただきたい内容です。

キュービクルの耐用年数を解説

耐用年数とは、キュービクルが減価償却を利用できる年数のことです。昭和40年に発表された大蔵省令第15号「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められています。

耐用年数は「効用持続年数」とも言い換えることができ、その期間内であれば正常なキュービクルの効果を期待できる年数の目安と考えることができます。

部材によって多少違いますが、8~15年が耐用年数の目安です。

耐用年数を過ぎたキュービクルを使い続ける危険性について

耐用年数はあくまで「目安」です。8~15年は効果が確実に保証されている期間ではないので、8年未満で交換が必要になるキュービクルもあります。大体メーカーの保証期間は「1年」のことが多いです。

そのため耐用年数を越えてキュービクルを使用し続けることには大きなリスクが伴います。以下ではその一部を解説します。

事故の可能性

部材の経年劣化は使用開始時点から徐々に始まりますが、耐用年数を超えて使用し続けると「短絡火災」や「漏電による停電」が起きやすくなります。

中でも最も甚大な被害をもたらすのが「波及事故」です。キュービクル近隣にある公共施設や公共交通網などに停電被害をもたらす事故のことで、莫大な補償金が発生するケースもあります。

電力の損失

古いキュービクルほど、大幅な電力ロスを起きてしまうことも問題です。

長年使用することによる部品の品質低下が主な原因ですが、最近では2014年以降のトップランナー制度に適合したキュービクルに比べて2006年以前の製品は性能に大きな差があることも原因の1つです。

受電効率が落ちて電気代がかさむ

電力ロスを起こしているということは、必然的にキュービクルの受電効率も低下していきます。通常よりも多くの電気代を支払わなければならない状態です。

今後も長期に使用する予定であれば、新品への交換をご検討されることをおすすめします。

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小川電機のキュービクル専門家に、設置費用の見積もり・トランス容量・設置スケジュールなど、何でもご相談頂けます。

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電気事業法に基づく法定点検

耐用年数を過ぎたキュービクルを使用し続けることは、「事故」と「受電効率」の2つの意味でデメリットがあるとお伝えしました。

このようなデメリットを事前に把握するためにも、キュービクルには毎月および毎年1回の保守点検が義務付けられています。

毎月の点検内容

点検項目 構造物の外観点検
受電設備目視点検
受電・配電盤目視点検
蓄電池各種測定(比重、電圧、液温測定)
非常用予備発電装置の始動・停止試験など

通常は毎月の確認ですが、「絶縁監視装置」をキュービクルに取り付けている場合は「隔月」の点検となります。

出典:経済産業省 点検、測定及び試験の基準(例示)

毎年の点検

点検項目 キュービクルの外観目視点検
停電状態における電気設備の精密点検
蓄電池各種測定(比重、電圧、液温測定)
絶縁抵抗測定
変圧器や遮断器などの内部点検
接地抵抗測定
非常用予備発電装置の始動・停止試験など

出典:経済産業省 点検、測定及び試験の基準(例示)

キュービクルを交換したい!かかる費用や注意点は?

キュービクルの部材が耐用年数に達している場合や、法定点検で何か異常が見つかった場合はキュービクルの交換が必要です。

ここからはキュービクルの交換にかかる費用やスケジュールについて紹介します。

交換費用

キュービクルの交換時にかかる費用は「本体価格」と「設置費用」があります。

一部の部材のみの交換であれば本体費用はかかりませんが、基本的には本体ごと交換することの方が多いです。本体交換にかかる費用は以下の表を参考にしてください。

本体価格

規模 施設例 本体価格
100kw コンビニ、小規模店舗 200万円前後
200kw 中規模店舗、小規模工場 350~450万円
300kw 中規模工場、スーパーマーケット 550~650万円
500kw テナントビル(大規模)、製造工場、病院 1000~1200万円

その他設置後には定期点検の外注費用が月次や年次でかかります。このタイミングで今一度キュービクルの設置にかかる費用をすべて確認したい方は以下の記事をご確認ください。

部材ごとの交換に関する注意点

中にはそれ単体では交換ができない部材もあるので、よく確認する必要があります。単体では交換できない部材に不備がある場合、本体ごと交換するケースもありえます。

その他キュービクルの設置工事にはある程度の騒音と1~2日の停電を伴いますので、キュービクル交換についての注意点を他にも確認しておきたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

交換のスケジュール

設置のスケジュールは、大体どの業者に依頼しても上記の表のように進行します。(表は小川電機社にご依頼いただけた場合のスケジュールです)

中古キュービクルに交換したい場合

今後数年間だけキュービクルを使用したいという方には、新品ではなく中古品への交換がお得なケースもあります。

ただし中古のキュービクルに交換する場合は、耐用年数や保証内容を特にチェックするようにしてください。

以下の記事で詳しく解説しています。

キュービクルの補助金制度について

最後にキュービクルに関する補助金制度について解説します。

実はキュービクル本体に対しての補助金は存在せず、キュービクル内部の「変圧器」に対する補助金が存在します

「トップランナー基準」という国が定める基準を満たす高効率な変圧器を導入することで、補助金の活用が可能になります。

高効率の変圧器は待機電力や稼働時のロスといった電力損失が減少し、省エネ・省CO2化が可能になるというメリットがありますが、その分一般的な変圧器よりも高額になります。

そのため補助金制度を使用したからといって、交換にかかる合計費用が安くなることは少なく、性能の良い変圧器をお得に導入できる制度と理解いただくと良いかと思います。

「小川電機株式会社」について

今回取材にご協力頂いた小川電機株式会社は、設立から50年以上続く電材総合商社です。

キュービクルをはじめ様々なオフィス家電、マンション大型家電など、全国に強い流通ネットワークを持っています。

会社名 小川電機株式会社
会社設立 1963年(昭和38年)3月21日
事業内容 電設資材・住設機器・家電製品の総合卸商社
所在地 大阪本社:〒545-0021 大阪府大阪市阿倍野区阪南町2丁目2番4号
東京支社:〒108-0023 東京都港区芝浦2-15-16 田町KSビル2F
他多数
資本金 90,000,000円
代表者 代表取締役会長 小川 能理夫
代表取締役社長 小川 雄大
従業員 365名(グループ計)
ホームページ https://www.ogawa.co.jp/

「電気施工管理技師」「電気工事士」など社員の専門資格取得も積極的に推進しており、キュービクルに関しては国内トップクラスの知見を持つ企業です。

中古キュービクルの設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方はぜひ一度小川電機にご相談ください。

この記事の監修者:前田恭宏さん

氏名 前田恭宏
経歴 小川電機勤務歴35年。年間15~20基、過去5年で100基以上のキュービクル取扱実績有り。1級電気施工管理技士。

まとめ

キュービクルの耐用年数は、おおよそ8~15年です。

耐用年数を越えてキュービクルを使用すると波及事故を引き起こすリスクも高まります。法定点検で異常のある部材を見つけ、未然に事故を防ぐことが大切です。

小川電機ではキュービクルの交換工事はもちろん、設置を検討している方のご相談も無料で受け付けております。

キュービクルに関して何かご不明点があれば一度お気軽にご連絡ください。

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